設置目的

 地球温暖化対策、エネルギーの安定確保等の観点から、徹底した省エネルギー社会の実現は、我が国の喫緊の課題となっている。我が国においてエネルギー消費が増大している運輸部門、家庭部門、業務他部門の電力消費低減のためには、電力変換時の損失を大幅に削減できるパワーエレクトロニクスに応用できる次世代半導体パワーデバイスとしては、これまでシリコン(Si)が実用化され、現在炭化ケイ素(SiC)が導入されつつあるが、原理的に高速動作が可能で高電圧・省電力で使用できる窒化ガリウム(GaN)等の次世代半導体が注目されている。

現在、我が国では、省エネ社会実現のため、基礎基盤研究の課題が多い窒化ガリウム(GaN)等の次世代半導体に関し、我が国の強みを活かし、実用化に向けた研究開発を一体的に加速することが求められている。

このような中で、名古屋大学未来材料・システム研究所附属未来エレクトロニクス集積研究センターを中核として、オールジャパン体制による GaN 研究コンソーシアムを立ち上げ、『橋渡し機能』を包含した「オープンイノベーションシステムの構築」を進めることにより「省エネルギーイノベーション」を世界に先駆けて実現することとしている。

そのため、大学、企業、国立研究開発法人等の産学官共創により、次世代半導体GaN等の材料、デバイスの基礎研究からシステム技術までを一気通貫で研究開発を行い、社会実装を加速させることを目的として、全学的なマネジメント体制のもと、名古屋大学GaN研究戦略室を設置し、以下の活動を行うこととする。

具体的な活動例

・GaN研究戦略会議の運営(※全学関係部局との調整等を行う天野WGの運営を含む。)

・GaN研究コンソーシアムの運営

・文部科学省「省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発事業」など新たな研究開発プロジェクトの企画及び立案、企業との大型共同研究

・クリーンルーム棟の新たな産学官による設備共用体系の構築

・資金・財源の確保(名古屋大学特定基金「青色LED・未来材料研究支援事業」のプロモーション活動、他省の研究プロジェクトとの連携・獲得)

組織概要

名古屋大学GaN研究戦略室の運営を円滑に推進するため、事務局、運営支援組織及び部局を横断する、学術研究・産学官連携推進本部、企画部、研究協力部及び研究所事務部の教職員から構成される。

URAによるGaN研究戦略マネジメント